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不況の波にさらわれて各球団とも新外国人も含め地味な戦力補強に終始した。王監督の5年契約最終年で大型トレードもと見られたダイエーがスパイ問題で身動きが取れなくなったことも響いたが、返って若手投手の台頭を呼び球団創設11年目にして初の優勝を遂げるのだから分からない。また前年米3Aからシーズン半ばに広島へ、更にオフにダイエーに拾われた山田も前半戦救援で活躍するなど望外の成果もあった。 さて運営方針とはいえ防御率7位の加藤を解雇する広島の姿勢にも疑問が残ったが、上田監督の阪急時代の教え子である古溝、本西、さらには秦と30代後半のベテランを集めた日ハムにも疑問が残った。結果両球団とも5位に沈む。 新生野村阪神はお馴染み「再生工場」狙いの他は、東尾構想から外れた佐々木獲得が唯一の大物だが、怪我もありかつての田尾・柏原らにも及ばず、吉田監督時代にテスト入団した遠山が左キラー、かつ昔とった杵柄で一塁も守る「ツーポイント」投手でカムバック賞とは皮肉。 FAでは武田が中日に。明大閥もここに極まれり。激しい争奪戦の末米タイガース入りした木田は入団発表に紋付き袴で登場。「ロボコップに会えなかったのが残念」と冗句は既にメジャー級だが、一方で、アメ行きの先駆者・野茂は開幕直前にメッツを解雇。カブス3Aを経てブリュワーズで復調した。 オフは「入来兄弟」誕生だけが話題だった巨人は、シーズンに入り村田真の怪我からベテラン光山を獲得。だぶだぶのユニフォームで期待以上に働いた。更に清原の故障でマルチネスを呼び戻し反攻に寄与したが、究極の場当たり補強に喜ぶべきか悲しむべきか。 |