※2:米2Aより。 ※3:解雇後、米3A経て再雇用。 ※4:米3A経て。 |
97年開幕前から大手紙で唯一プロ野球に資本基盤を持たない朝日新聞の積極報道により、燻り続けた脱税問題は閉幕後、10選手の起訴という最悪の結末に至った。 これにより波留外野手の長期出場停止が確実になった横浜は、近鉄・中根獲得に盛田を供出する出欠大サービスに踏み切ったと、わざわざ野口横浜取締役自ら注釈を加えたが、気分屋の盛田放出が前提だった筈で優勝にプラスに働いたのは儲けものだったろう。 また同じく小久保内野手の欠けるダイエーは金銭条件が合わず広島を退団したロペスを獲得。開幕間もなくには宮本を欠くヤクルトが日ハム・城石を得るなど、事件の余波による選手の異動も目立った。 さて前年に続き自由契約市場が活況を呈した。とくに前年テスト採用の伊藤が8勝した阪神はムッシュ吉田の鶴の一声で遠山を3年振りに投手復帰させ採用するなどテスト者が大モテ。当然生え抜きの若手が多数馘首され最下位に沈むと吉田監督は敢え無く3度目の斬首を迎える。 小早川、広田、野中と野村再生工場がフル稼働したヤクルトも、高年俸がネックとされドラフト後に西武を解雇された渡辺久をはじめ採用が相次いだ。 近鉄の問題児西村は、3年前の交換相手である吉井の日米を股に掛けた一大獲得合戦の最中、テストでひっそりダイエーに。後半息切れも10勝でカムバック賞は見事な意趣返し。 吉井は年が明けてバレンタインのメッツへ。初のFA米国移籍者となったが、オリックス脱出を図った2人の米国志望者は夢叶わず。中嶋は提示額の低さに敢えなく西武に舞い戻り、納会も欠席する強硬姿勢を貫いた一言居士野村も日米間の譲渡ルール確立まで金銭移籍が凍結されたため、結局巨人入りで落ち着いた。 一方で、高給を理由としたリストラも増加の一途だが、25%以上の減俸も本人が了解すれば何等問題はないのだから、いわば体のいい首切りだ。とくに日ハムでは故障でシーズンの半分を棒に振った西崎がFA権を行使せず残留を表明したのに対し、小島球団社長が久々に悪代官振りを発揮しすかさず戦力外通告。会見で涙した西崎で石井、奈良原を釣り上げたのだから見上げた商売根性。 流石に56試合に登板した長冨整理は球団内からも同情論が絶えなかった(ダイエーが金銭で獲得)が、同じく解雇された金石は上田監督の宗教問題対応を強く糾弾、前年鳴り物入りで獲得し悲惨な成績に終わった落合も名指しで批判するなどタブーへの挑戦を試みた。その為採用に二の手を踏む向きが強かったが年明けに巨人入り。叔父の金田正一氏の影響力も指摘されたが、若手登用で割を食った。 また中日−阪神間ではレギュラー・クラス2対2の交換が実現。大豊が前半こそ低迷したが、皆再活性化につながったのは目出度い。 なおアジア金融不安の波及で遂にIMF支援を受ける羽目に至った韓国からは、宣に次ぐスーパースター李が4億5千万の高額で売られてきた。次いでシーズンに中にまたもや李(登録名:サムソン)登場。 いよいよ日韓オールスターの様を呈してきたのは、かつて読売と毎日が交互に米大リーグ球団を招聘したように、韓国プロ野球との提携を強めている中日新聞も努力の甲斐があったというもの。残念ながら本物の日韓戦は東京MX(中日新聞の傍系会社である東京新聞が資本参加)の中継では視聴率も視力並だが、少なくとも上位のレベルでは日韓に大きな差のないことを、証明してくれたのは嬉しいニュースだ。 またシーズンに入って低迷するオリックスは藤本を獲得。ベテラン放出が仇になった形だが、更に驚いたことにはオフに高給を理由に解雇したニールを再雇用。高額で手放し安くなった所を買い戻すとは是川銀蔵も吃驚の相場師振りだ。 |