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自由契約後の移籍の多さが目立つ。しかも小早川を筆頭に、安部、広田、伊藤敦など、立派に戦力となっているケースが少なくないのは、大リストラ時代の朗報だろう。 米国への移籍が急増したのも特筆すべき事項。中でも柏田のメッツ入りは、かつてマッシー村上氏のジ軍入団がアジア人の登用による急進反人種差別勢力へのアピールの役割をも担っていたように、バレンタイン監督の日本球界復帰の思惑も含め何らかの意図があるのでは、と見られたがそこそこ通用し凱旋帰国、即巨人が三顧の礼で迎え入れた。が日本では元の黙阿弥。一体彼我球界の格差も、こと投手に限っては一般に想像される程大きくないのではないかと疑ってしまう。 長谷川の語学力も目を引いた。野茂とは違った意味で日米球界の良き架け橋たり得るべく注目されよう。 伊良部に付いては不幸な例と言うべきか。 また、セコハン外国人選手2名の再来日も現実的な対応策として評価できる。ただ芸名の「C・D」から本名に戻したドネルスは翌年DJの退団後、再びCDに。音楽シリーズか。 また恩を仇で返す形で米球界入りを果たしたチェコの動向を聞かないが、元気で暮らしているだろうか。 さて読売巨人軍の補強策の所謂「30億円」補強だが、成功とは言い難い結果に終わったのは承知の通り。中でもヒルマンが危惧された通り2年契約の1年目で早々にリタイアしたのは痛手だったろう。 最終的に30本塁打を放った清原は、「入団以来大過なく水準以上の成績を維持」「その割に印象が薄く酷評される」という点で、同球団の80年代の同じく4番打者に似てきた、というのは原氏に失礼だろうか。 石井に関しては、傷物を高い買物との批判もあろうが、寧ろ鈴木(前監督)−野茂の確執以来、主力放出を続ける近鉄フロントを責めるべきではないか。ここに好漢石井の流浪の旅が始まり、旅を終えた時には「元あみんの夫」に留まらぬ 知名度を得たが、実際に留まらず「元あみんの元夫」として指導者の道を歩み出した。 シーズンに入りFA移籍後低迷した金村が西武へ。「鈴木健が二人」と注目されたが戦力としても1.6人分程度迄は復活した。見分け方は、グラウンドで陰部を弄っている方が金村である。 またオリックスは、馬場、本西の両ベテランを放出。働き場を与えるという美談が優勝を逃すと、過度のリストラ策、球団不信へと論調が一変。勝負は勝たなくてはという見本か。 それに付けてもデニー(友利)の大化けには誰しも驚嘆を隠せなかった。現役時代の死球騒動や麻雀賭博の黒い印象、旧ライオンズ出身と堤西武オーナーが最も好みそうにない東尾監督の成功の秘訣はやはり投手指導力か。 |