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暴力団との交際問題、事業失敗による多額の借金等から水原監督が江藤放出を決定。アトムズ他が獲得の意を示したが中日側は交換譲渡を望み商談成立せず。任意引退となった江藤問題はシーズン半ば、6月になって日鉄二瀬時代の恩師、濃人率いるロッテ移籍で決着した。江藤はリーグ優勝の助っ人となるが1年半後には再びセ・リーグに舞い戻る。 オフには野村(南)、稲尾(西)、村山(神)の3青年監督が誕生。鶴岡色脱却を図る野村は広島のベテラン整理の方針を受け古葉、寺岡の後の古葉一家を迎えたほか、東映で松木監督にホサれた青野など積極的な補強策に着手。村山も鎌田を近鉄から戻す一方で数年来オフの目玉だったヒゲ辻をダンプ辻、田淵との捕手過剰を理由に遂に放出。広島、東映も獲得の意向を示すなど大モテで本人は広島移籍を望んだが球団が同一リーグを嫌い近鉄に落ち着いた。逆に西鉄は移籍による補強なしと対応が分かれている。 広島に拾われた藤本は72年に突然防御率1位。南海第1回ドラフト1位の牧も阪急で72年日本シリーズ好投と、二人とも1年だけでも輝いたのは望外か。 また「王キラー」平岡は「対巨人日本シリーズ対策」という大胆な理由でロッテ移籍。実際、シリーズに3試合投げてこの年だけで大洋に戻ったのだから驚きだ。 ロッテは3年越しで待望の千田も獲得、例年にも増して「永田ラッパ」が響き渡った。左中間に膨らみのない東京球場で非力が代名詞だった千田も漸く初本塁打を放つ。交換の川藤竜之輔は元阪神・川藤幸三の実兄。 |